2024.11.15 Friday

三重県環境影響評価委員会

第1回目 2020年 9月8日

三重県環境影響評価委員会に傍聴者として参加 

発言されたものを以下に要約しました

 

委員名簿はコチラ


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塚田 森生委員長
三重大学大学院生物資源学研究科 准教授

報告書に対する知事意見では「この地域の自然を壊してでも事業をすすめる必要性を説明するように求めている」とある。
しかし、この環境影響評価書(シーテック作成)には書かれていない。

人と自然のふれあい、そういった価値とこの事業によってCO2がどれだけ排出削減できるのか

ということを天秤にかける必要があると思う。

難しいことではあるが、そうでないと自然を壊してでもやる価値はある、とは納得できないと思う。

これまで例えば笠取とかで発電したその結果、火力発電所からCO2がどれだけ減った、ということを言っていただけなければ説得力が全然ない。
風力発電でどれだけCO2削減できるのか分からないんだったら、そんな事書かなきゃいいんじゃないですか。

自然を壊してこの事業をする、という錦の御旗をもし掲げるのであればデータをちゃんと書かなければ説得力ない。
営利企業としてお金もうけするから、と言うんでしたらそっちの方が説得力あります。

20年でクマタカ7羽程度が死ぬ計算になっている。
希少猛禽類の保護対象になっているクマタカをこれだけ殺していいのか?

いくらなんでも駄目だろう…。

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平山 大輔
三重大学教育学部准教授

温室効果ガスを発生しない地球温暖化対策であるという根拠にして環境への負荷が少ない、持続可能な事業である、というふうに準備書の中や事業目的、事業者の見解、パワーポイントの資料の中でも繰り返し言及されているけれども、地球環境問題についての認識としてはおかしい、浅いというのが私の考え

準備書に対する意見、事業者の見解で
自然豊かな場所を損なってまでやる意味があるのか、という観点のたくさんのコメントに対してコピペみたいに"環境負荷が少ない""持続可能な事業である"という事が回答で連発されているが、認識としておかしいのではないか

環境への負荷や社会の持続可能という視点でみたときに気候変動や地球温暖化これも大事だけど生物多様性の消失、そっちの方がリスクとして大きいだろうと、もう何年も前から指摘されている

地球温暖化対策といって人為的に自然環境への改変をする事によって生態系機能を低下させていては、環境問題の解決という点では本末転倒。意味をなさないのではないか

7.8ヘクタールのアカシデ、イヌシデ群落が消失することで生態系機能の何がどれだけ失われるのかということを評価しなければ生態系評価とはいえない

まだ評価をしていない、これからだというのは分かるのですが、これからなんだとしたら今の段階で準備書に生態系への影響は小さいとの予測を断言して書くのは問題である

事例があまりないというのなら、小さいという評価はおかしいのではないか
小さいというのは何をもって小さいと判断されているのか、わからないなら、わからないと書かなければいけないし論理的、科学的ではない評価を推すべきではない

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桑野 園子
大阪大学 名誉教授

残留騒音を取り除いた騒音測定方法で測定しなければならない。

地域の方との合意形成が必要になってくる。
風力発電事業に関して住民意見の数401件の意見書と288件の質問、これだけたくさんの意見があるっていうのは、はじめての経験です。
地域住民は理解されていないんじゃないかと感じられますのでわかりやすく説明していただきたい

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飯島 慈裕
三重大学大学院生物資源学研究科 准教授

伊賀市側の流域は非常に谷の密度が高い地域
花崗岩の風化がかなり進んでいる土壌

谷の密度の多さと崩壊の強さの関係性が認められることが研究上でわかっている

谷の密度が布引山系のなかで非常に強い地域であるなかにおいて特に風車等を搬入する道路をつくることにより将来的に崩壊の危険性が高まるのではないか


※谷密度
 一定面積内に存在する谷の本数。

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森 勇一
東海シニア自然大学 講師

8月20日に現地を視察した際、山の斜面が崩落、崩壊それを補強している。そういうことは、しばしば発生する可能性があると思われる。

誰が、どの程度の間隔で点検されるのか

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増田 理子
名古屋工業大学大学院工学研究科 教授

新しく林道をつくるとそこに鹿が通るようになる

緑化にアセビを植えて緑化される予定だが、鹿は食べるものがなくなるとアセビでも食べてしまう
対策はどうされるのか

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橋本 啓史
名城大学農学部 准教授

レーダーでは、個体の識別ができていない。
クマタカは、尾根筋に縄張りがあって縄張り争いがあり、風車への注意が散漫になる。個別の縄張りごとに調査・評価が必要。

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石田 典子
元名古屋女子大学文学部 教授


土砂の流出の配慮が足りない。漁業権の組合についてシーテック社は上流の組合は解散した、下流の組合は存在する、組合に説明は行わないと言ったので、説明するよう指摘していた。


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松尾 奈緒子
三重大学大学院生物資源学研究科 講師


切土、盛土の土の処理はどうか。盛り土の部分の崩落が心配される。また、尾根筋の北側部分(亀山市領域)の影響も検討する必要がある。

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大野 研
三重大学教養教育院 教授

ガイドラインによる見込角で議論されていると思われるますが、景観に対する思い入れ(数値化できない)によってちょっとでも見えたら嫌だという場合もあるので、地域の方に説明しているのかどうか

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