遺跡碑の奥に兼好塚があります
種生の国見山は、『徒然草』の作者として有名な兼好法師が晩年を過ごした地として広く知られています。幼少より和歌や文芸に秀でていた兼好は出家し、兼好法師と名乗って諸国を巡り歩きました。晩年はかねて相愛であった小弁の局の父、橘成忠の招きでこの地に庵を開き、余生を送る傍ら、徒然草を執筆したといいます。
また、公園内には松尾芭蕉の高弟・服部土芳が1698年にこの地を訪れた時に詠んだ
《月添いて かなしさこほる 萩すすき》の句碑が建っています。
その奥には梅林がありますが、近年鹿の食害がひどいので柵が設置されています。
元禄期に京都の公卿篠田厚敬がこの地を訪れ、篠田厚敬稿「種生伝」、土佐光成筆「兼好画像」、頓阿・弘融・兼好の和歌色紙などを寄付しましたが、現在は常楽寺に残されています。絹本著色兼好法師画像は三重県の文化財に、兼好塚と草嵩寺跡は市の史跡に指定されています。
また塚の近くにある「種生のオオツクバネガシ」は伊賀市指定天然記念物で樹周囲3.5m、樹高20mで枝張りは東西方向に23m、南北方向に21mになり樹齢は不明ですが樹がゴツゴツした質感で樹勢は旺盛です。県下でもまれな樹木でその大きさからも大変貴重な樹木です。
*2:種生神社秋祭御渡り
古くから種生神社に伝わる珍しい伝統行事の秋祭り
獅子神楽は江戸中期に敢国神社から伝わったもので、伊賀市の無形民俗文化財に指定されています。
獅子神楽:伊賀市指定無形民俗文化財
[日 時]毎年10月最終の土日
[場 所]種生神社(伊賀市種生1278)
[問合せ]博要地区市民センター
TEL:0595-55-2004
御渡りの先頭の獅子神楽
【宵宮祭】
祭典・奉納舞(舞姫・楽人(がくにん))獅子舞(出合・床並獅子神楽保存会)湯神楽・種生音頭・奉納太鼓(青山太鼓保存会)・ふるまい食・祇園ばやし
舟型だんじりにて祇園囃子の演奏
湯神楽神事はどなたでも参加できます
出合・床並獅子神楽保存会による獅子神楽奉納
青山太鼓保存会による和太鼓の奉納
【例大祭】
種生獅子神楽保存会による獅子神楽奉納
渡御式の前には馬駆(うまかけ)が行われます。
ふもとから神社に向かって3回駆けあがってきます。
渡御式(おわたり)は獅子神楽を先頭に神輿・こたつき(帆を模した旗)・相撲旗・氏子の行列・だんじりが100m先の御旅所まで練り歩きます。鹿島の神が種生の里にお越しになった様子を表現しています。
山間部では大変珍しいといわれる「舟形だんじり」をはじめ、「こたつき」などの行列が行われる様は伊賀の珍祭といわれ、毎年たくさんの人が見物に訪れています。